住宅ローン 借り方と繰上返済の新常識 本文へジャンプ
金利タイプ


 住宅ローンを借りると、金利に応じて利息を支払うことになります。預金をすると利息を得られるのと、正反対です。
 住宅ローンは、このときの金利がどの程度の期間決まっているかで、大きく3つに分けられます。また、複数のタイプを組み合わせることが出来る場合もあります。

  • 全期間固定金利型
    借りてから完済するまで、金利が変わりません。代表的なものとして、【フラット35】があります。
  • 固定金利期間選択型
    一定期間(1年〜30年、銀行によって取り扱っている期間は異なる)の金利が変わりません。一般に固定期間が長いほど金利は高くなります。固定期間が終了すると変動金利型に移行します。固定期間終了時に再度固定期間を選択することも可能です。
  • 変動金利型
    原則として半年ごとに金利が変わります。また、返済額は原則として5年ごとに見直されます。途中で固定期間選択型に変更することが出来ます。
  • ミックス
    複数の金利タイプを組み合わせることを一般的にミックスと呼びます。金融機関によっては扱っていない場合もあります。
  全期間固定金利型 固定金利期間選択型 変動金利型
現在の金利 相対的に高い 期間が長いほど高い 相対的に低い
将来の金利 将来上がる可能性はない 固定期間中は変わらないが将来の金利はわからない
(上がる可能性がある)
半年ごとに見直されるのでわからない
(上がる可能性がある)
毎月の返済額 確定する 固定期間中は確定するが将来の返済額はわからない
(上がる可能性がある)
5年ごとに見直されるのでわからない
(上がる可能性がある)

 ある金額を借り入れた場合、借入期間が同じだと、金利が高いほど毎月の返済額や総返済額は大きくなります。

借入額、借入期間が同じ、固定金利型の場合
金利 低い 高い
毎月返済額 小さい 大きい
総返済額 小さい 大きい
※上記は金利が変わらない場合。また、繰上返済をしない場合。

具体例(2000万円、35年、元利均等返済)
金利 1.0% 2.0% 3.0% 4.0% 5.0%
毎月返済額 56,457円 66,253円 76,970円 88,555円 100,938円
総返済額 2,371万円 2,783万円 3,233万円 3,719万円 4,239万円
※上記は金利が変わらない場合。また、繰上返済をしない場合。

 一般的に固定期間が短いほど金利が低く、変動金利が最も金利が低いので、その変動金利で計算した返済額で「毎月○万円で購入できます」などとセールストークに使われがちです。
 しかし、固定期間が短いほど将来金利が変動する可能性(不確定さ=リスク)が大きくなります。金利が変動するということは、現在の固定金利以上に上昇する可能性もあるということです。

 変動金利は、一般的には間接的に日銀の政策金利と連動します。現在は超低金利ですから、変動金利とは言うものの、いまよりも下がることは考えにくく、景気が回復すれば上昇すると考えた方が良いでしょう。ただし、いつどれだけ上がるのかは、残念ながら誰にも正解はわかりません。